サマーシーズンでも安心!防水加工の腕時計

夏になると、海やプールなどで水遊びをするシーンが増えますよね。そんなとき、普通の腕時計を付けていて壊れてしまったことはありませんか。「安心して水泳などを楽しみたい」という人には、防水加工の腕時計がオススメです。防水加工された腕時計なら、水が原因で時計が壊れる心配がないので、サマーシーズンには大活躍します。水に強い防水加工の腕時計ですが、防水のレベルが細かく分かれているので、自分が使いたいシチュエーションにあった腕時計を選ぶことが重要です。そこで今回は、防水加工の腕時計の種類や性能、防水機能を詳しく知る方法、使用上の注意点などを解説します。

水をかけても安心!防水加工とは

「防水加工」とは、外部から水が入らないように加工することを指し、英語表記では「ウォータープルーフ」ともいいます。たとえば、織物や皮革、紙などに水が染み込むのを防ぐために防水加工を施すことがあります。そして、時計もまた、水が中に入らないように加工する代表的な製品です。なぜなら、時計のような機械類は、水分にとても弱い性質があるからです。時計の中に水分が入ると、そこからサビが発生して、ガラスが曇ったり機械が腐食したりと、故障や不具合の原因になる可能性があります。特に腕時計の場合は、腕にはめて日常的に利用するという特徴があり、雨や汗といった水分に触れる場面が多いため、防水加工を施した商品が多いのです。

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「一般用防水」と「潜水用防水」とは

腕時計の防水加工は、「一般用防水」と「潜水用防水」に分けることができます。この2つの違いの目安は、「ダイビングをするときに使用できるか」ということです。潜水用防水の腕時計ならダイビングにも使用できますが、一般用防水の腕時計の場合は使用できません。一般用防水の腕時計でも日常生活での汗や雨、水泳やシュノーケリングには対応できますが、ダイビングのときの使用は避ける必要があります。これら2つの防水については、JIS規格とISO規格で表記方法が定められています。一般用防水の腕時計の場合は「WATER RESISTANT ○○M BAR」、そして潜水用防水の場合は「DIVER’S ○○M」と記載します。なお、「一般用防水」と「潜水用防水」の中でも、製品によって対応できる防水の範囲が異なるので、よく確認する必要があります。自分が使用したいシーンに対応できる製品を選ぶようにしましょう。

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水の浸入に対する保護等級を知ろう

防水加工は、JIS規格とIEC規格によって8つの保護等級に分けられています。この2つの規格は各等級の防水レベルがほぼ同じになっているので、「JIS・IEC混成表記」としてまとめて表記されることもあります。 保護等級は、防水の保護レベルが低いものから以下のように等級が分類されています。 1.無保護(水の侵入について、特に保護されていない) 2.防滴I形(垂直に落ちてきた水滴によって有害な影響がない) 3.防滴II形(垂直より左右15°以内の範囲から落ちてきた水滴によって有害な影響がない) 4.防雨形(垂直より左右60°以内の範囲からの降雨によって有害な影響がない) 5.防沫形(あらゆる方向からの水の飛沫によっても有害な影響がない) 6.防噴流形(あらゆる方向から強い噴流水を直接受けても有害な影響がない) 7.防浸形(水面下1cm〜1mのところに30分間水没しても内部に浸水しない) 8.水中形(継続的に水面下で使用しても浸水しない) 上記の保護等級では、一般的に3級以上が防水加工されているものです。また、明確に規定されているわけではありませんが、4級以下は日常生活に対応した防水、5級以上は水泳などにも対応した防水と考えておくといいでしょう。(※1)

防水機能を詳しく見極める単位

腕時計の防水機能を判断するためには、「M(メーター)」「BAR(気圧)」の2つの単位を覚えておくといいでしょう。「M(メーター)」は、「水深何Mまでの水圧に耐えられるか」ということです。実際には、水中にいるときは腕を動かすことで、そのときの水深地点よりも大きな水圧がかかる可能性があるので、表記されている水深よりも25%以上の水圧に耐えられるように設計されています。目安として、「100~200M防水」は浅海のスキューバダイビングなどに、「200~1000M防水」は深海で潜水するときに使用できます。「BAR(気圧)」は、一般的に「1BAR=10M」と変換することができて、10気圧を超える防水は水中での使用が可能です(潜水は不可)。この気圧表現は一般用防水の腕時計に使用する表現で、潜水用防水には使用しません。「2〜3気圧防水」は日常生活の汗や水滴、「5気圧防水」は水仕事や釣りなどの水上スポーツ、「20気圧防水」は素潜りなどの浅海での遊び、「30気圧防水」はダイビングなどに対応できます。

防水機能は他の液体の侵入も防ぐ?

防水機能の付いた腕時計ですが、どんな液体にも対応しているわけではありません。たとえば、化学薬品の付着には注意が必要です。特に、シンナー・ベンジン・アルコール・有機溶剤が入った洗剤などは、付着すると化学変化を起こして腕時計が劣化してしまう可能性があります。(※2)また、入浴時も腕時計は外すようにしましょう。防水機能の腕時計は、裏蓋にゴム製のパッキンが取り付けられています。このパッキンは水分が時計内に侵入しないように保護するための重要な部品なので、常によい状態を保ち、定期的に交換しなければいけません。通常は、パッキンの劣化が始まるのは購入から3〜4年程度といわれていますが、高温や低温の環境で使用すると劣化が早まる恐れがあるので入浴時の着用は避けてください。特に、温泉の場合、高温下での使用に加えて、温泉の成分によって腕時計が化学変化を起こして劣化してしまう恐れがあるので注意が必要です。そして、水や汗には強い防水加工の腕時計ですが、時計の材質によっては注意が必要です。

シチュエーションによって使い分けよう

防水機能の違いがわかったら、あとは自分が使いたいシチュエーションに合った防水加工の腕時計を選びましょう。水仕事などに対応できる腕時計でいい場合は、10気圧の腕時計を選んでおけば問題ありません。たとえば、セイコーの「ルキア」シリーズは働く女性を中心に人気があるシックなデザインが特徴の腕時計ですが、10気圧対応の機種を多く取り揃えています。腕時計をつけたまま家事などをしても安心して使うことができるのでオススメです。もし、水泳などをするときにも使える腕時計が欲しい場合は、ぜひ20気圧に対応する腕時計を選びましょう。カシオの「Gショック」シリーズは頑丈なことで有名ですが、防水機能も充実しているため、海やプールへ行くときも安心です。そして、ダイビングのような本格的な海のスポーツで使う場合は、30気圧以上の腕時計が必要になります。「インビクシタ」というアメリカに拠点を置くブランドは、プロダイバー用の腕時計のラインナップが豊富なことで有名で、その性能はロシアの海軍で採用されるほどです。防水機能の付いた腕時計は、1本持っていると安心できるアイテムです。ぜひ、自分のお気に入りの1本を見つけてください。