あると便利な腕時計のソーラー機能ってなに?

腕時計はビジネスでもプライベートでも欠かせないアイテムです。見た目も大事ですが、せっかくなら機能面でもすぐれた腕時計を選びたいと思っている人は多いのではないでしょうか。そんな人にはソーラー機能を備えた「ソーラー腕時計」がオススメです。ソーラー腕時計とは太陽などの光エネルギーを利用した腕時計のことを指します。メンテナンスが簡単なことから人気が高く、さまざまなメーカーがソーラー腕時計を販売しています。人気のあるソーラー腕時計ですが、ソーラー電池を使用しているという特性上いくつかの注意点に気をつけなければいけません。今回は、ソーラー腕時計の特徴やメリット・デメリット、使用上の注意点などを解説します。

ソーラー電池(太陽電池)とは

ソーラー電池とは光エネルギーを電力に変える発電機のことで、別名「太陽電池」「光電池」とも呼ばれています。光が照射されると、ソーラー電池を構成している半導体の電子が動いて電気を発生させる仕組みです。ソーラー電池は火力発電や原子力発電のように環境を汚染する心配がありません。クリーンで安全な電力という理由から年々注目が高まっています。たとえば、屋根に取り付ける「ソーラーパネル」はソーラー電池をたくさんつなげたもので、太陽光のエネルギーで企業や家庭の消費電力をまかなうというシステムです。ほかにも、電卓のような日用品から灯台や人工衛星まで、さまざまなところでソーラー電池が使われています。そして、ソーラー腕時計もそのひとつです。1976年に時計メーカーのシチズンが世界で初めてアナログ式のソーラー腕時計を発売しました。従来の腕時計は一定期間経つと電池を交換するのが当たり前でしたが、このソーラー腕時計の登場によって電池交換の手間を減らすことに成功したのです。(※1)そして、その後は各時計メーカーからソーラー腕時計が発売されるほどの人気を博しています。ソーラー腕時計の中には「太陽電池ユニット」と「二次電池」が備えられています。腕時計の文字盤に受けた光が太陽電池ユニットで電気エネルギーに変換され、その電気エネルギーを二次電池に蓄えて時計を動かすという仕組みです。ソーラー電池は太陽だけでなく蛍光灯などの人工的な光でも発電して動くようになっています。(※2)

ソーラー腕時計のメリット

ソーラー腕時計のメリットとして、日常的なメンテナンスが楽という点が挙げられます。なぜかというと、ソーラー腕時計に使われている太陽電池ユニットは光のエネルギーさえあれば、ほぼ半永久的に発電させることができるからです。きちんと光の当たる場所でこまめに腕時計を充電させることができれば、ほぼ電池交換せずに何年も使用することができます。電池代がかからないため、環境面だけでなく経済面でもエコといえるでしょう。電力を蓄える二次電池は長期間使用することで容量や充電効率が下がってしまうため、5年程度を目安に点検や交換が必要ですが、一般的な腕時計と比べればはるかに長く使えます。特に、毎日同じ腕時計を使う人の場合は腕時計をしまっておく時間が少なく、自然と充電する時間を確保できるのでオススメです。 また、ソーラー腕時計はデザインもさまざまなタイプの製品が揃っています。たとえば、カシオの「Gショック」のようにカジュアルなデザインのものや、シチズンの「クロスシー」のようにフォーマルなデザインのものなど、選択肢が豊富です。そのため、プライベートからビジネスシーンまで、使いたいシチュエーションに合わせて希望するデザインの腕時計を探すことができるでしょう。 そして、さまざまな価格の製品が取り揃えられているのもソーラー腕時計の魅力のひとつです。価格帯は安価なものなら数千円程度、高価なものだと10万円程度で購入できます。幅広い価格の製品があるので、自分用にはもちろん、プレゼントとしてソーラー腕時計をプレゼントするのもオススメです。たとえば、シチズンの「キュー&キュースマイルソーラー」は4,000円程度で購入できる上に、カラフルなデザインなので子供へのプレゼントにピッタリです。また、セイコーの「ドルチェ&エクセリーヌ」シリーズは10万円前後と高価ですが、上質でデザインが豊富なことから人気があります。高級路線のソーラー腕時計は子供の成人祝いや大切な人への記念の贈り物としてふさわしい品といえるでしょう。

Confident man is looking at watch on his wrist and leaning against solid wooden door

ソーラー腕時計のデメリット

ソーラー腕時計は半永久的に電力を発電できるという魅力がありますが、その反面、充電ができていないと腕時計がきちんと動かなくなってしまうというデメリットがあります。たとえば、腕にはめている状態で服に時計が隠れていたり、使っていないときに引き出しの中にしまっていたりすると充電することができません。 また、長期間充電していない状態で放っておくと、二次電池がダメになってしまって電池交換が必要になる場合もあります。そして、二次電池を交換する場合はほかの時計のように街の時計店などで対応してもらうことができません。ソーラー腕時計の販売元のメーカーへ電池交換を依頼する必要があり、電池交換には一般的に3,000円前後の費用がかかります。電池交換なしで長く使えるのがソーラー腕時計のメリットですが、普段から光の当たる場所で充電することを習慣にできないと、かえってメンテナンスの手間や費用が発生してしまうことを覚えておきましょう。

ソーラー腕時計を使う時の注意点

ソーラー腕時計を使うためには、光の当たる場所で充電する必要があります。腕時計を使っていないときでも、太陽の光の差し込む窓際や蛍光灯が当たる場所で充電するように心がけましょう。ソーラー腕時計は文字盤の側から光を集めて充電するので、裏返しの状態で置かないようにしてください。ただ、時計が熱くなりすぎると故障の原因になるので、車のダッシュボードや高熱を発するハロゲンライトの下などはなるべく避けるといいでしょう。また、秋から冬にかけては太陽光が弱まることに加えて長袖の服に時計が隠れてしまうので、意識的に充電することが重要です。そして、長期間充電されない状態になって二次電池がダメにならないように、こまめに充電するように気をつけてください。

ソーラー腕時計の動きがおかしい場合の対処方法

ソーラー腕時計の動きがおかしいときに考えられる原因として、充電不足の可能性が挙げられます。きちんと充電されていないと腕時計が正確な日付や時刻を表示しないことがあるので、まずは充電してみましょう。光がよく当たる場所にソーラー腕時計を置いてください。その際は、蛍光灯などの人工の光ではなく、太陽光の方がより早く充電されるので、日当たりのいい窓際が向いています。必要な充電時間は製品の性能や太陽光の強さによって差がありますが、一般的に5〜6時間を目安に充電することをオススメします。それでも腕時計の調子がおかしいときは二次電池がダメになっている可能性があります。その場合は、二次電池を交換する必要があるのでメーカーへ修理を依頼してください。ソーラー腕時計の充電時間や必要な手入れ方法、手入れの時期は製品によって違うので、腕時計を購入したら最初に取扱説明書をよく確認するようにしましょう。