値段の違いで決まる腕時計の価値や性能

生活の中で時を刻む腕時計にはいろいろな種類があります。また価格帯も数千円のものから数百万円以上するものまでさまざまです。高価な腕時計は品質がいいという程度のことはわかりますが、具体的にはどのような点から値段の違いが生じるものなのでしょうか。主に3つのポイントからその理由を見ていきます。

☆精巧な構造の機械式で一生使える

腕時計は大きく分けると電池によって動力を得る電気式と、ゼンマイを巻いて動力を作る機械式があります。電気式の場合は電池が持つ限り動き続けますが、機械式はゼンマイをほぼ毎日巻き続けなければ止まってしまいます。
しかし長い目で見ると電気式の腕時計の部品は寿命が来るのが機械式と比べて早いのです。電気式は機械式よりも故障する確率が高く、数年使うともう寿命がきてしまうこともあります。その点、機械式は大事に使い続けていれば半永久的に動き続け、高価な機械式腕時計は一生使えるものとも言われます。
また、機械式の腕時計は機構が非常に精巧で、正確に長期的に動作するように緻密な計算のもとに製造されています。高級時計ブランドにはその確かなノウハウがあり、繊細ながらもずっと使える腕時計を作り続けることができるのです。
ただし機械式にはその精巧な作りを数年に一度分解し、部品の交換や洗浄などを行うオーバーホールが必要になります。こうした手入れを続けていればかなり長期的に使い続けることができ、こうした造りの違いが値段に現れるわけです。

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☆通常の時計に加えてさまざまな機能がある

通常の時計の機能は今の時刻を指し示すのみですが、値段が張る腕時計にはそれ以外の機能が搭載されている場合が多くあります。そのさまざまな機能を搭載するには高い技術が必要で、単純に機能が多いことに加えて製造過程が複雑な点も値段に違いが出る理由です。
時刻を指す以外で腕時計に搭載されている機能では、ストップウォッチ機能を搭載したクロノグラフがよく知られています。クロノグラフの中でも複数の時間を計測できるスプリットセコンド・クロノグラフが搭載されているものは単体のクロノグラフよりもさらに高価です。
また手動での調整をしなくても日付を調整してくれる永久カレンダーの機能も便利です。単純な構造のカレンダー機能では例えば日付が早く終わる2月28日から3月1日への切り替えができず手動で合わせる必要がありますが、永久カレンダー機能ならその切り替えを自動で行ってくれるのです。
その他時刻をチャイムで知らせる機能であるミニッツリピーターや月の満ち欠けを表示できるムーンフェイズなど、腕時計に搭載される機能にはいろいろありますが、その機構が複雑であればあるほど値段は釣りあがるでしょう。

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☆硬い材質やコーティングなどでキズから守る

腕時計は日常から腕につけているものですから、どこかにぶつけたりなどしてキズができてしまうこともあります。高級な腕時計はこのキズに強い良質の素材を使っていることが多いのです。
通常の腕時計はケースやバンドにステンレスやチタンといった金属を使用していることが多いですが、軽くて身につけやすい一方で柔らかくキズがつきやすいというデメリットもあります。これを解消するためにセラミックやカーボンなどの強度の高い素材を使用することがあり、腕時計をキズから守ってくれるのです。
しかし、素材の中には重量があってケースやベルトすべてに使うと身につけにくいという、ものもあるため、従来の素材に特殊な加工を施してキズがつきにくいようにしている腕時計もあります。また文字盤のガラスにサファイアガラスを使用したものはキズに強く、クリアな文字盤の状態を保つことができます。
総じてキズがつきにくい腕時計はその手間や素材の価格によって値段が上がりやすく、安価な時計との違いが出てきます。