相手に気づかれずに証拠写真を撮るなら身につけているものをカメラ代わりにするのが一番です。例えば映画やドラマで探偵が隠し撮りに使うようなカメラ付きの腕時計があったら便利と感じたことがある人は少なくないでしょう。実は探偵の7つ道具のひとつだと多くの人が思っているカメラ付き腕時計も一般向けに販売されており探偵以外の目的で使うこともできます。ここでは探偵のアイテムとして有名なカメラ付き腕時計をご紹介します。
カメラ付き腕時計ってなに?
カメラ付き腕時計と一般的にいわれているアイテムの本当の名前は腕時計型カメラです。時計の機能は付いているもののメインの機能はあくまでもカメラ機能だからです。カメラ付き腕時計は多くがクロノグラフを模したデザインになっていて見た目は、ほぼ腕時計にしか見えません。なぜクロノグラフに似せて作られているかというと、カメラを操作するためには複数のボタンの操作が必要だからです。機械本体に複数のボタンが付いていても不自然ではないという意味でクロノグラフが選ばれたと考えられます。腕につけた状態で文字盤をのぞき込んでいても違和感がなく多機能のクロノグラフならストップウォッチなどを動かすためにボタンを操作していても不思議ではありません。操作ボタンが多くてもあやしく見えないよう、わざわざクロノグラフを模して作ったといえます。静止画だけでなく動画を撮る機能を搭載したモデルもあり被写体の自然な表情を撮るためにも使われています。(※1)
カメラ付き腕時計の性能ってどうなの?
カメラ付き腕時計は腕時計ではなく相手へわからないように撮影しやすいスパイ用のカメラです。そのため最も充実しているのはカメラ機能であり、ボタンの押し方によってカメラの操作やモード切り替えができるようになっています。静止画と動画の両方を撮れるものもあり押すボタンの組み合わせや押し方を変えることでシャッターを切ったり、ON・OFFの切り替えをしたり可能です。文字盤上にカメラのレンズがあり文字盤を被写体に向けることで静止画を撮影します。赤や青などのLEDランプが点灯することで操作内容をチェックできるようになっている傾向です。しかしカメラを被写体に向けて撮影するときにはランプが点灯しないようになっています。マイクで音を録音できるようになっているモデルは動画撮影の音を収録する以外にボイスレコーダーとしても使用可能です。赤外線ライトを搭載しているモデルは肉眼では見えない暗いところの撮影もできます。特殊な形のカメラで撮影時のアングル調整が難しいため、上手に撮れるようになるまで練習が必要でしょう。うまいタイミングと適切な角度を感覚として覚えてしまえばカメラの性能としては十分です。(※1)
カメラ付き腕時計の価格帯って?
腕時計にカメラの機能までついているのだから「値段が高いのでは?」と思っている人が多いかもしれません。しかし実は、かなりリーズナブルな値段で売られており主流は1万円台です。中には1万円未満で売られているものもありますが、それでも動画を撮影する機能や赤外線機能もついています。カメラ付き腕時計場合、スパイダーXと匠ブランドの2ブランドが強く1つのブランドから多くの機種が出ている傾向です。時計としての機能や基本的な機能は1万円を切るものにもついていることが多いため、値段の差はカメラ自体の性能の差によるものと考えられます。「レンズの質の高さ」「解像度の高さ」「画素数の多さ」「内蔵メモリの大きさ」などが値段に大きく影響しているようです。本来探偵が使う道具ですから浮気の現場や犯罪の証拠などを押さえるために使われます。相手の顔がはっきりと映らなければ意味がないため、カメラとしての品質は高いことが大前提になっているのでしょう。相手を特定できる写真や動画を撮ったら次に撮った静止画や動画を証拠として提出しなければなりません。情報をしっかりとした形で保存しておくためには容量の大きなメモリが必要になり、その分で価格が変化するという一面もあるのです。(※1)
カメラ付き腕時計の使い方とは
カメラ付き腕時計はボイスレコーダー機能も活かして職場や家庭でのセクハラやパワハラなどトラブルの証拠集めによく使われています。しかし使い方として有効なのはそのような証拠集めのときだけではありません。会議の議事録代わりとしても便利に使えます。腕時計として普段から着用しておくことで事件や事故に出くわしたときの証拠保全も撮影できる可能性が高まるでしょう。また腕時計のバンドを木や柵への固定用に使い、動画撮影機能を監視カメラとして使うことも可能です。探偵用アイテムだからといって、わざわざ事件やトラブルにだけに使い方を限定する必要はありません。被写体に気づかれずに写真が撮れるという機能を利用して子どもや家族の自然な顔を撮影するのに使うことも可能です。動画の撮影も相手に気づかれずにできるので防水や赤外線ライトの機能も活かせば、夜間の屋外の撮影に利用し近隣の防犯対策に活かすなど、もっと別の使い道もあるでしょう。(※1)
カメラ付き腕時計を出しているメーカー
カメラ付き腕時計のブランドはスパイダーズXと匠ブランドが有名です。(※1)しかし他のメーカーが生産しているものもあります。2000年にはカシオが世界初のリストカメラとしてモノクロ機のWQV-1を販売しました。さらに2001年11月にはカラー撮影ができるWQV-3をリリースしました。しかし、その後カラー表示のWQV-10までで生産を完了し後継機は出ていません。カシオが出したシリーズはデジタル時計とデジタルカメラの融合でスパイダーXや匠ブランドとはまったく異なるスタイルです。(※2)他にはアルテマというメーカーが赤外線および暗視機能付きの腕時計型ビデオカメラを出しています。(※3)防犯カムカムというメーカーが同名のブランドで出しているオリジナルシリーズは動画と静止画、ボイスレコーダーの機能が付き10気圧防水も完備しているタイプです。こちらもクロノグラフを模したデザインですが、スパイダーXや匠ブランドよりはカジュアルさが強いデザインになっています。(※4)いずれのメーカーも複数の機種を出しており、価格帯もほぼ同じです。そのため、どこか1社だけが突出しているわけではないといえるでしょう。