ブランドの時計には、それぞれたくさんのデザインがあり、時計好きに人のなかにはロレックスなど、ひとつのブランドだけでも全てのデザインを知っている人という、時計通もいるでしょう。しかし、時計のおもしろさは、デザインが豊富なだけに留まりません。例えば、ブランドの歴史や特徴など、ちょっとしたエピソードがあります。今回は、長い歴史が生んだ老舗ブランドならではのこだわりや、カジュアルブランドの大ヒット秘話など、知っておくと会話のネタに使えるような話をいくつかご紹介します。これを読んだあなたは、今日からちょっとした時計通になれるかもしれません。
長い歴史が生んだ老舗ブランド
老舗時計ブランドのひとつである「ロレックス」を挙げます。よく、文字盤が特徴的であるといわれるロレックスには、やはり文字盤へのこだわりがありました。単に種類が豊富なだけではありません。文字盤ひとつひとつの作りが大変細かく、それぞれが洗練されたデザインになっています。細部までこだわりを見せるロレックスの姿勢は、文字盤からも伺い知ることができます。この文字盤ですが、後からでも交換することができます。文字盤で選んで購入する人もいるかもしれませんが、後で自分の好きな文字盤に変更できるので「やっぱりこのデザインが良かったな」という希望にも、応えられるようになっています。購入後もその時々で時計の印象を変えられますので、同じ時計でも飽きてくることはありません。長く愛用できる時計を供給し続けてきた歴史において、文字盤はロレックスならではのこだわりといえるでしょう。「ロレックス」という名前は時計通であればもちろん、そうでなくても知られているほど有名です。しかし「文字盤を変えることでさまざまなデザインを楽しめる」ことを知っている人は、そこまで多いとはいえないのではないでしょうか。もしかすると、時計通でも知らない人もいるかもしれません。ロレックスをしていて「文字盤に飽きてきた」という友人がいれば、うんちくをひとつ披露してみてはいかがでしょうか。面白いと思われることでしょう。文字盤への強いこだわりがあることは、ロレックスが長年愛されている理由のひとつだと受け取れます。
個性で攻めるカジュアルブランド
歴史のある代表的なカジュアルブランドのひとつに「G-SHOCK」が挙げられます。G-SHOCKは、発売されてからあるとき大流行しますが、そのきっかけを知っている人はどれくらいいるでしょうか。流行のきっかけとなったのは、1994年に遡ります。当時公開されて大ヒットとなった映画『スピード』に、キアヌ・リーブス演じる主人公がG-SHOCKをつけていたことで話題になりました。流行の背景には、有名人キアヌ・リーブスの存在があったのです。日本製の時計が海外の作品に使われるということは、海外で性能が評価されたとも受け取ることができます。これは、日本人にとって嬉しいエピソードでしょう。次に時計の名前の由来ですが、G-SHOCKのGはGravity(重力)の略です。これは高所から落としても壊れないという意味で、命名されました。腕時計は、衝撃に弱い精密機械であるという従来の固定観念を一変させ、米国で1大ブームを巻き起こしたともいわれています。固定観念を一変させたように、G-SHOCKの最大の特徴は頑丈さです。外殻から独立した内部機構や、ポリウレタン製の衝撃吸収材を採用しているため、相当の高度から落下しても壊れません。さらに類似品について、日本を含む各国で頭文字を変えたA-SHOCKなどが出回ったことがありました。これを受けて、G-SHOCKの製造元であるカシオは対策を練ります。そして、対策として従来のG-SHOCKを除いて、新たにA-SHOCKからZ-SHOCKまでを、商標登録することにしました。G-SHOCKの歴史からは、外国人俳優の着用による流行、腕時計の固定観念の一蹴、類似品が出回るなど、さまざまなエピソードがあったことがわかります。
ファッションを超えた高級ブランド
ファッションブランドから、時計が発売されていることも少なくありません。ファッションを超えた高級ブランドでは、日本ではイッセイミヤケ、海外ではポールスミスなどが有名です。それぞれの時計ブランドには、デザイナーの歴史が絡んでいるといえます。日本人デザイナーのイッセイミヤケは、パリやニューヨークでファッションについて学びました。パリではエレガントな技巧を、ニューヨークでは機能と実用性を学んだといわれています。これがのちの、イッセイミヤケのウオッチコレクションに反映されているといえます。黒1色などのシックなデザインが多く、スーツやドレスなど、エレガントな装いにもマッチするように作られています。さらに時計は、機能的なファッションアイテムです。以上から、パリやニューヨークで学んだことが時計にも反映されているといえるでしょう。ポールスミスの時計は、実用性のあるファッションアイテムであることはもちろん、文字盤がカラフルになっているなど、デザインに遊び心があるのが特徴です。ポールスミスの服はカラフルな色使いが特徴的で、時計にもポールスミスらしさが伺えます。ポールスミスは、このカラフルな色使いを「ひねりの効いたクラシック」と表現しています。カラフルな文字盤はまさに「ひねりのきいたクラシック」のデザインであるといえます。これは、彼がデザイナーとして機能性・実用性と、カラフルな色使いを大切にしてきたことが反映されているからでしょう。
まとめ
腕時計ブランドの深い知識は、大人の男性の会話のネタになりますので、知っておいて損はないでしょう。ただデザインの種類を並べるだけではなく、ブランドの歴史についても話せると、関心を持ってもらえるはずです。仕事の移動時間など、上司に退屈しのぎに「何か面白い話はないか?」と話を振られることもあるでしょう。ちょっと面白い話ができると、気難しい上司との話もはずむかもしれません。ネタはときに、ビジネスの潤滑油になることもあります。時計ネタのエピソードには、奥深いエピソードがひとつといわずにあります。持ちネタのひとつとして、いくつか話の引き出しに入れておきたいものです。