腕時計は、大人のたしなみです。しかし、腕時計ブランドに詳しくないと、どのブランドを選んだら良いかわからない、という人も多いのではないでしょうか。そういう人は、とりあえずシンプルで汎用性の高い腕時計ブランドを選んでおきましょう。特に、日本初のブランドはシンプルで洗練されたデザイン性を備えている逸品が多く、腕時計選びの初心者であっても十分に着こなすことができるはずです。今回は、代表的な日本の腕時計ブランドをご紹介しますので、ぜひ腕時計選びの参考にしてみてください。

圧倒的知名度の「セイコー」

いわずと知れた日本発祥の腕時計ブランド セイコーは、明治時代に前身を持つ歴史と伝統溢れる腕時計ブランドの日本代表です。シンプルで機能的なデザインが特徴のセイコーは、もともと高級腕時計ブランドとして発足したことから、安っぽさを感じさせないスタイリッシュなラインナップが揃っています。なかでも、腕時計の本場スイスの精度を超えることを目的に創設されたグランドセイコーは、日本だけでなく世界でも最高峰といえる仕組みを備えています。クォーツで調速しながらゼンマイ式の自家発電機能で発電するという画期的な仕組みが採用されており、狂いのない高精度の時間を漏らさず伝えてくれます。地球上のすべてのタイムゾーンに世界で初めて対応したGPSソーラーウォッチ アストロンもセイコーを代表する逸品です。アストロンは、世界に先駆けて発表されたクォーツ式腕時計クォーツアストロンに由来する、常にリードし続けるセイコーブランドを象徴するものです。正確かつ省電力、さらに世界中のどこにいても正しい時間を確認できるという優れものでもあります。ほかにも、オーソドックスなデザインが特徴のセイコー5なども、セイコーを代表するブランドです。

G‐SHOCKは社会現象になった「カシオ」

かつて、社会現象にもなったG‐SHOCKは、カシオを代表するブランドです。G‐SHOCKの最大の特徴は、何といってもその頑強な作りであり、いかなる衝撃にも耐えうる設計によって多くの人を魅了しました。有名人が好んで身に着けるブランドでもあり、カシオの名を一躍世界に広めた原動力にもなりました。しかし、カシオにはG‐SHOCKにも劣らない豊富なラインナップが揃っており、そちらにも注目しておきたいところです。たとえば、カシオのなかでも最も低価格で手が付けやすいのが、チープカシオです。手ごろな値段で手に入れることができるため、はじめは女性からの人気が高かったチープカシオですが、現在では男性ファッション誌でも取り上げられるほど、男性からも高い人気を得ています。チープカシオは、どのモデルもシンプルかつ着け心地が良く、安いのでデイリーユースとして使う1品として最適です。また、カシオはもともと電卓メーカーなだけあって、デジタルやアナデジ時計に一日の長がある一方、オシアナスなどの本格的なブランドも発表しており、幅広いニーズに対応したラインナップになっているといえます。

独自の技術で攻める「シチズン」

シチズンは、同じ日本の腕時計メーカーでありながら、ほかとは一線を画す独自の技術に最大の特徴があるといえます。特に、電波ソーラーに関してはほかの日本系腕時計ブランドを凌ぐ技術力を誇っており、「電波ソーラー式の腕時計ならシチズン」といっても過言ではないほど、秀逸なラインナップが揃えられています。たとえば、光の力をエネルギーに変えるという、シチズン独自の技術が込められたプロマスターなどは、豊富なデザイン性と高いコストパフォーマンスによって、シチズンを代表する人気シリーズになっています。電池を必要としないエコドライブを搭載している点もシチズンらしさが反映されており、50mまでの水深に耐えられるという高度な設計も目を惹きます。一方、カンパノラは、シチズンのなかでも高級感が特徴的なシリーズです。デュラクト処理という腕時計そのものが傷つきにくい加工を施しており、常に美しい状態のまま高級感あるデザインを醸し出す、ほかのブランドにはない技術が施されています。クリーンエネルギーを腕時計にいち早く導入したシチズンにとって、エコドライブなどのシリーズもシチズンを代表する秀作であり、その機能性の素晴らしさから多くの人に親しまれています。

シンプルイズベストな「オリエント」

とにかくシンプルさを追求した腕時計が特徴なオリエントは、100年以上の歴史を持つ老舗腕時計ブランドのひとつです。シンプルながら先進的なデザイン性、また個性的ながら均整の取れたスタイルなど、オリエントの腕時計は歴史と伝統を感じさせるシンプルイズベストなラインナップが中心です。洗練されたデザインへのこだわりが見え隠れするNeo70’s、ダイバーズウォッチでありながら優れた機能性とデザイン性が印象的なM-FORCE、極限まで機械式時計の神秘的な美しさを追求したORIENT STARなど、時計好きにはたまらない豊富なラインナップが揃っています。オリエントの腕時計には、どのシリーズにも気取らない優美さと、いつまでも着けていられる永続性が感じられます。それは、オリエントが追及してやまない、シンプルイズベストの精神が反映された結果なのです。

世界に一つだけの時計が作れる「ノット」

ノットというと、ほかの日本初の腕時計ブランドに比べて、まだまだ知名度は低いかもしれません。それもそのはず、ノットは2015年に発足したばかりの新進気鋭の腕時計ブランドだからです。ノットの特徴は、メイドインジャパンの名に恥じない高い技術力と、カスタムメイドシステムという方式を採用している点にあります。ノットにおいては、本体とベルトが別々に販売されています。本体とベルトを自分でカスタマイズすることで世界にひとつだけの時計を作ることができる、それがノットの持つ最大の魅力だといえるでしょう。ノットの腕時計は、本体もベルトもシンプルな作りになっています。それが無限の組み合わせを生み出す原動力ともなり、オン・オフの区別なく、服装と腕時計とをバッチリ決めることが可能です。ノットで初めて発表された高品質な機械式時計AT-38、クラシカルな懐中時計のような雰囲気を楽しめるクラシッククロノグラフ、スクエアな形状が目を惹くクラシックスクエアなど、新進のブランドとは思えないほどラインナップも豊富です。

まとめ

腕時計選びに迷ったら、まずはシンプルなデザインと機能性を備えたシリーズを中心に探してみると、意外とすぐにお気に入りの腕時計を見つけられます。ただ、シンプルといってもここまで説明してきたように、ブランドやシリーズによって少なからず違いがあります。こうした違いにも注目しながら、失敗しない唯一無二の1品を選びましょう。