釣りや山歩き、自転車などアウトドア活動を楽しむ女性が増えています。海や山で本格的な活動をするなら、便利な機能を搭載したアウトドア仕様の時計が欠かせません。特に防水加工の有無は時計選びの重要なポイントといえるでしょう。アウトドア用の時計は、丈夫だけれど武骨なデザインのものしかないと思われがちですが、丸みを帯びた女性らしいデザインも増えています。ここでは、防水機能が充実したレディース腕時計について紹介していきます。
防水表記の見方を覚えよう
防水加工を施された腕時計には、JIS規格やISOの規定に基づく防水性能を表す表示が義務付けられています。ですから、「WATER RESISTANT」もしくは「WATER RESIST」「W.R.」という表記が文字盤やケースの裏ぶたにあれば防水時計、なければ非防水時計ということになります。特にJIS規格では、日常生活での使用を想定した時計の防水機能は気圧を表すbar表示、ダイビング用の時計は水深を表すm表示をする決まりになっています。日常生活での洗顔や汗、雨などによる水濡れを想定した時計はJIS1種防水時計に分類され、2~3気圧程度の防水機能です。W.R.などの表示に5BAR、10BARなどの表記が加わるとJIS2種防水時計となり、水に触れる機会の多い水上スポーツなどでも使えるようになります。一方、JIS1種潜水時計やJIS2種潜水時計は100m以上の水深での耐圧性や長時間の作業を想定しているため、AIR DIVER’S 100m、HE-GAS DIVER’S 300mのような表記になります。(※1)
どの程度まで防水可能?
腕時計の防水性能には、日常生活での防水を想定したものから水深1000mの深海でも作業し得る耐圧性能も兼ね備えたものまで大きな性能の差があります。ですから、時計を使用するときにはどれくらいの防水性能を持った時計なのかを正しく知ったうえで使うようにしましょう。例えば、簡単な生活防水程度しかついていない時計なのに、防水だからといってはめたまま泳いだり入浴したりしてしまうと、時計の中に水が入ってしまいます。釣りやヨット、水泳などを楽しむなら5気圧防水以上は必要です。10気圧以上あれば素潜りでも使えますが、ボンベなどを付けて水深の深いところまで潜るのであれば、簡単な耐水性だけでは足りません。長時間水の中で作業をし続けても耐えられる防水性に加えて、気圧の変化にも耐えられる耐圧性も備えていなければなりません。10気圧もしくは20気圧くらいの防水機能があれば、水を多く使用する職業や素潜りで使用できますが、スキューバダイビングで使用するならm表示の潜水時計を選ぶ必要があります。単に防水というだけではしっかり防水しきれないケースもありますから、用途に合う防水機能が備わっているかをしっかり見極めることが大事です。
ダイビングでも使えるダイビングウォッチとは
ダイビングウォッチあるいはダイバーズウォッチと呼ばれる時計は、100m以上の深海で作業できる防水性能と耐圧性能を持っている時計です。どのくらいの深さまで対応可能かがm表示されているので、本格的にダイビングを行うのであれば、200m以上のものを選んでおくとよいでしょう。防水性能以外の機能としては、逆回転防止ベゼルの搭載が特徴的です。ベゼルとは文字盤のカバーの周囲についているリング状の目盛りのことです。ダイビングウォッチでは酸素ボンベの残量がいつまでもつかを示すためにベゼルを使います。長針がベゼルで示した位置に到達するまでに海面に浮上すれば大丈夫であることを目で見てわかるようにするのがベゼルの役割です。ダイビングウォッチでは、ベゼルの位置が正方向にずれると実際の酸素残量よりも遅い時間を指し示すことになり命に関わります。そのため、ベゼルが正方向には回らないようになっています。ダイビングウォッチの性能としてはベゼルよりも防水機能の方が重要なので、深海作業が可能な防水機能を備えているだけでベゼルが付いていないものや回転しないベゼルが付いているものもあります。
ダイビングウォッチのおすすめメーカーとは
高い性能を持つダイビングウォッチとして世界的に有名なのは、世界初のダイバーズウォッチを作ったロレックスでしょう。「サブマリーナ」や「ディープシー」の性能は折り紙付きです。アメリカ海軍の精鋭部隊が使用している「マスター・コンプレッサー」を提供したジャガールクルトも性能の高さでは有名ですが、超高級時計のため一般の人が簡単に手にできるような代物ではないのが残念です。ダイビングウォッチといえば、オメガの「シーマスター」も有名です。コストパフォーマンスの高いダイビングウォッチを選ぶならセイコーの「プロスペックス」やブライトリングの「スーパーオーシャン」、タグホイヤーの「アクアレーサー」をおすすめします。十分な性能を備えていながら手が届きやすい価格設定が魅力で、日常使いするのにも適したデザインなのでダイビングしない人でも使いやすい時計です。デザイン性の高さを求めるのであれば、ブルガリやカルティエ、IWCなどのダイビングウォッチにも注目しましょう。実用性も十分備えながら、普段使いしやすいおしゃれな時計が揃っています。
女性でも使いやすい可愛いダイビングウォッチ
ダイビングウォッチというとゴツゴツとした外観で分厚く大きいというイメージが強いかもしれませんが、女性の腕にもフィットしやすい可愛いデザインのものも多く出ています。例えば、オメガの「シーマスターアクアテラ」はビジネスでも使用できるシンプルさと、おしゃれして出かけるときにも着けられる豪華さを備えたダイビングウォッチです。高性能なのに、ベゼルが付いていないので一見しただけではダイビングウォッチには見えません。おしゃれといえば、タグホイヤーの「アクアレーサー」は男女ともにデザインが豊富。いかにもダイビングウォッチという雰囲気のものからまったくダイビングウォッチに見えないものまで幅広く揃っています。お手頃価格で手に入るものでも300mくらいの防水が標準です。ダイビングウォッチの定番色であるシルバーやブラックだけでなく、イエローゴールドやピンクゴールドをあしらったものもあります。選択肢の幅の広さではタグホイヤーがおすすめです。