自分でできる?腕時計の電池交換のときに使う工具

腕時計を使っていると、いつの間にか電池が切れてしまっていることはありませんか。腕時計の電池は切れた状態で放置しておくと故障の原因につながる可能性があるので、すみやかに電池交換を行う必要があります。一般的に、メーカーや時計屋に電池交換を依頼する人が多いですが、自分自身で電池を交換することも可能です。しかし、腕時計は精密機械なので電池を交換するときには細心の注意を払う必要があります。そこで今回は、電池交換の方法や必要な工具、電池を交換する際の注意点などを解説します。

腕時計の電池が切れたときはどうすればいい?

腕時計の電池が切れたら、新しい電池と交換する必要があります。電池を交換するにはいくつかの手段があります。まず、一番確実なのは「腕時計を販売している正規のメーカーで電池交換してもらう」という方法です。保証などもしっかりしているので安心して依頼できるでしょう。特に、高級な腕時計の場合は正規のメーカーで修理してもらうことをオススメします。 次に、「時計屋で電池交換してもらう」という方法があります。一般的に、メーカーで修理してもらうよりも安い価格で対応してもらえることが多いです。ただ、高級な腕時計の場合は技術料などが別途かかることもあります。その場合はメーカーで修理してもらうのと同等の費用が発生することもあるので気をつけてください。 また、「ホームセンターなどの専門店以外のお店で電池交換してもらう」という方法もあります。価格は一番安く済みますが、その代わり技術面は先の2つと比較して劣ることが多いです。「壊れたら買い換えよう」と思っている腕時計ならば問題ありませんが、大事にしている時計の場合はきちんと専門店で修理してもらう方が確実といえます。 そして最後に、「自分で電池交換する」という方法があります。「費用面でプロに依頼するのが難しい」「愛着があるから自分でやりたい」といった場合は、腕時計を分解して自分の手で電池交換してみてもいいでしょう。

スマートウォッチ風

腕時計の電池交換で必要な工具

腕時計の電池を交換するときは以下の工具を揃えておきましょう。まずは、腕時計の裏蓋を開閉するための工具が必要になります。「オープナー」は主に防水機能が付いた腕時計の裏蓋を開ける際に使用する工具です。防水加工された腕時計は裏蓋がネジ状になっているものが多く、このオープナーを使ってスクリューさせて裏蓋を開閉します。また、防水機能のない腕時計の場合は「こじ開け」という工具が必要です。裏蓋の側面にある溝にこじ開けを差し込んでテコの原理を利用して裏蓋を開けます。そして、腕時計の種類によってはドライバーで裏蓋を開閉するものもあります。小さな部品に対応した「精密ドライバー」を用意しておくといいでしょう。ちなみに、「こじ開け」で開けた裏蓋は手では閉められない場合が多いです。こじ開けタイプの裏蓋用には「裏蓋閉め機」という工具も用意しておくことをオススメします。 そして、次に電池を交換する際に必要になる工具があります。電池やネジをつかむのに必要な「ピンセット」や時計の内部のホコリを取り除くのに使う「チリ吹き」は揃えておくといいでしょう。また、防水機能付きの腕時計の場合は「塗布器」という工具も必要です。腕時計に水が入るのを防ぐためのゴム製のパッキンに「シリコングリス」という専用の潤滑剤を塗るときに使用します。 ほかにも、電池交換の作業をスムーズにするために揃えておくといい工具もあります。「保持器」という腕時計を固定するための工具があると安定した状態で電池交換ができるので、特に電池交換に慣れていない人は用意しておくことをオススメします。また、電池を交換するときは腕時計の盤面を下にして作業をするので、表面のガラスが傷つかないように「クッション」を用意しておくと安心です。腕時計の電池交換に使用する工具類はセットで販売されているものも多く、Amazonなどのネット通販や100円ショップでも購入できます。

watchmaker workshop – set of various tools for replacing battery in watch on white background

電池交換の方法

まずは、腕時計の裏蓋を開けます。腕時計の裏蓋には3つの種類があり、「スクリュー式」「こじ開け式」「ネジ式」に分けることができます。スクリュー式はオープナー、こじ開け式はこじ開け、ネジ式は精密ドライバーで裏蓋を開けましょう。裏蓋を外したときに白いカバーのような中枠がある場合は中枠を外します。電池が見える状態になったら、ピンセットなどを使って部品を傷つけないように電池をそっと取り出してください。腕時計によって、爪で電池が固定されているものや電池を押さえる部品で電池の上をまたいで固定しているものなど構造が違います。いずれの場合も部品を傷つけないようにして電池を取り出しましょう。ちなみに、裏蓋や時計の内部に付着している汚れはサビや腐食の原因になるので、綿棒などを使ってしっかりと汚れを落としておくといいでしょう。電池を取り出したら電池の品番を確認して同じ品番の電池を入れます。その際に、電池を固定する爪や電池を押さえる部品をきちんと元の状態になるようにセットします。最後に、裏蓋を閉じて腕時計がきちんと動いていることを確認すれば電池交換の完了です。

電池交換をするときの注意点

電池が切れた場合、そのまま長期間放置してしまうと電池が液漏れを起こして腕時計が故障する原因になることがあります。電池切れに気付いたらすみやかに電池を交換するようにしましょう。また、腕時計に使用されているボタン電池はメーカー名などが記載してある面と側面がプラス極で反対側がマイナス極となっています。その性質上、金属のピンセットでプラス極とマイナス極をつかむとショートしてしまいます。ボタン電池をピンセットでつかむときは必ずプラス極同士になるように側面をつかんでください。そして、ネジ式の裏蓋の場合は裏蓋の閉じ方がゆるいと接触不良を起こしたり、逆にきつく閉めてしまうと部品が破損したりする可能性があるので気をつけてください。腕時計は精密な機械なので少しの破損が故障につながりかねません。どの部品も傷つけないように細心の注意を払って作業しましょう。(※1)

もし途中で分解や組立がわからなくなったら時計屋へ

腕時計には裏蓋や電池の固定方法、中枠の有無といったさまざまなタイプのものがあります。電池交換の作業をする前に腕時計の取扱説明書などで仕様をよく確認して、必要な工具などを揃えてから作業するように心がけてください。しかし、どんなに準備をきちんと行なったとしても作業を始めてみたら腕時計の仕組みがわからず自分では対応できないこともあります。そのまま作業を進めてしまうと時計の部品を傷つけたり部品を紛失したりして、かえって修理費用がかかってしまうかもしれません。自分で電池交換をするのが難しいと思った場合は決してムリはしないでください。もし、作業の途中で電池の外し方や組立方法がわからなくなってしまった場合は、すみやかに時計屋へ腕時計を持っていくようにしましょう。