腕時計は仕事や日常生活に欠かせないものなので、電池が切れると非常に困ります。電池交換をしてくれる時計屋も昔と比べると数が少なくなり、交換にはお金と時間も掛かります。できれば少しでも電池の寿命を長くしたいものですが、そのためにはどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。
知っておこう!腕時計の電池の種類
腕時計の電池と一口にいっても、大体3つの種類に分かれます。ボタンやコインと呼ばれる丸くて平たい形なのは同じですが、酸化銀電池、リチウム電池、アルカリ電池と種類が異なっているのです。
酸化銀電池は、電池式腕時計で最も多く用いられている電池です。寿命が終わるまで一定の電圧を保ち、劣化しにくいという特徴があります。リチウム電池は、酸化銀電池よりも高出力です。そのためカレンダーやクロノグラフ機能などを搭載していて、電池をたくさん使用する腕時計に使われます。
アルカリ電池はコストパフォーマンスに優れていて、デジタルウォッチによく使用されます。
タイプ別にみる腕時計の電池の寿命
腕時計の電池の寿命は、その電池の容量や腕時計の種類によって変わります。例えばアナログタイプで秒針を1秒ずつ刻む腕時計は、針を細かく動かす分だけ電池をたくさん使います。秒針がないタイプだとそれよりも少し寿命が長いのです。
一般的には、オーソドックスなアナログ式で秒針のある3針腕時計の電池寿命は、2~3年といわれています。2針だと、さらに1~2年ほど長く動きます。
リチウム電池のものは、クロノグラフなどの機能を多用するかどうかで寿命が変化しますが、5~10年が目安となります。アルカリ電池搭載の腕時計はデジタルウォッチが多いので、アナログと比べて電池の使用量は少なめです。その代わりにアラームやバックライト機能が付いている場合があり、その使用状況にもよりますが、おおよそで3~5年ほどとなっています。
腕時計の電池を長持ちさせることにこだわるのなら、できるだけシンプルな時計を購入したり、必要としない機能を使わないようにしたりするという手もあるのです。
腕時計の電池寿命を延ばすためのコツ
腕時計の電池の寿命を延ばすためには、腕時計を使用する状況や、使わないときの保管場所に気を付ける必要があります。
電池式の腕時計は、水晶でできた振動子に電気を流して、そこから発生する規則正しい振動から時間を刻むクオーツ式です。そのようなデリケートな仕組みなので、強力な磁気により機能が狂って時間がずれてしまうことがあります。クオーツ部分に負荷が掛かれば電池も少なからず影響を受けるため、パソコンや電子レンジのそばなど、強い磁気を出す機器の近くに腕時計を置くのは良くありません。
また高温多湿の場所も、腕時計の使用や保管する場所には向いていません。時計に防水機能が付いていたとしても、電池の保管場所としては温度や湿度が低いところが適切です。
使用しないときには時計を負荷の掛からない環境に保管するだけでも、腕時計や電池の寿命を延ばせます。腕からはずしたらどこに置くかを、あらかじめ決めておくと良いでしょう。アナログ式時計は、定期的に内部の摩耗やオイルのメンテナンスをすることでも、電池の余計な負荷を抑えることができます。
また、購入したときに腕時計に入っている電池はモニター用のものなので、これについては寿命が短いのが普通です。電池が切れて時計が動かなくなったあと新しい電池に交換しないまま放置しておくと、これも時計に掛かる負荷の原因になり時計自体の寿命を縮めてしまいます。速やかに電池交換をして適切にケアしていれば、次の電池交換までの期間はずっと延ばすことができるでしょう。